|
ノート
日々のいとなみのなか、時折何もせず過ごす事がある。とくに薄曇りの日など、ぼんやり雲に隠れた空を視ていると、折り重なった雲のなかに微かな光の色あいを感じる。さらに力を強め凝視していると、雲の層一つ一つに光の陰翳が深まってくる。これは感覚の度合いがより細かくなり、雲を抜ける微かな光をも感知したのであろう。
何度も見たにも関わらず光の変化に驚き、心に微かな波紋を起こしてくる光景は、「事」を理解するのとは異なり、なにげない自然のなかの美しさがあることに心は動く。あらためて美しさの原点を突きつけられた気がした。
untitled LW20・・は、折々に、白い紙に点(エンボス)を記した数十ページに及ぶ一冊の紙の層である。この白い層の一枚一枚を捲りながら光の微かな陰翳を感じていただければと思っています。
神無月
池田啓子
|