今回の展覧会は案内状にも記載されているように「越野潤/金村仁」という二人の作家の展示です。しかし通常の二人展でもなく、コラボレーションの展示を目的としたものでもありません。個々の作家の持つ特性をより引き出し新しい展開を個々が見つけだす為の展覧会です。二人で空間を共有する以上必ず他を意識します。お互いの他者の尊敬を認識を深めないことにはこの展覧会の目的は達成出来ないものでした。この展覧会を二人の作家に投げかけた所、快く引き受けてくれました。
 結果的には二人の作家にとっては新しい試みの呈示を生み出し、今後のステップになる展示になりました。
 2006年展覧会
  制作意図

金村氏の作品が壁を利用したものである事から、2人が北と南の対面する壁をメインとして使用し、それらをそれぞれにどのように扱うかという事をテーマに据える事で、2人の対峙する姿を明瞭に感じさせる事ができればと考えました。

私のメインの壁は、他の3面の壁と違って天井との繋がりを持たず、その自立した印象から1枚のキャンバスに見立てることができます。作品を展示する際、作品を取り囲む壁、空間自体をひとつの支持体として比喩的に捉えますが、今回は、それをより直截的に意図として取り込むとどのような結果を生み出すかの試みです。

色に関しては、金村氏との話し合いの中からその選択基準の違いが浮き彫りになりました。「存在の多様性の象徴」としての色の使用に興味のある私は、奔放に多様な色を配置する事で、色についても金村氏との対比を提示できると考えました。作品の配置についても、数学的な法則は使用せず奔放で、軽やか、動的な印象を与える配置になるような構成を選択しました。白いキャンバスに鮮やかな色の飛沫が飛び交うような表現的な絵画風景を意図し、キャンバスに絵筆を持って表現的に色を置く行為を、スタティックな作品を素材として模した形とも考えられますが、結果として感じた事の無い軽妙さ、視覚的喜びが与えられるものになればと考えました。   
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印画紙にエンボスされた作品は黒いタイルのように見える。この作品はギャラリーにあるハイサイドの窓枠のサイズと同じ大きさになっている。窓でもない、タイルでもない作品の右下には俯せになるギャラリーオーナーの姿が仄かに見える。空間も充分に考慮され確固たる作家の制作意図呈示している。


タイトル:肖像画-窓のある部屋

この作品は「肖像画-窓のある部屋」はシリーズとして制作された最初の作品です。展示される空間とその空間の所有者及び使用者によって、その都度新たに計画されるインスタレーションとして展開されることになる。この展開に欠かせない制作条件は(1)窓のある空間であること、(2)作品の要素としての映り込みの被写体は展示される空間の所有者もしくは使用者であること。

タイトルは、肖像画-窓のある部屋(......)内には被写体の名前もしくはニックネームがはいる。