90年代、桑山忠明は空間を意識した展示の傾向を強めている。今回のSpace Aでの展示は特にその傾向の中で際立った変化が見られる。それは、作品を床面に展示していることである。今迄立体、平面というカテゴリーの中での問題で彼の言う「この世にないもの」を提示していたのではないことがこの作品で読み取れる。また、言っておかなければならないことは60年代、70年代、80年代と一貫して床置きの作品を製作し続けていたということ、突然今回の作品が俄にアイデアとして変化のある作品が表れた訳ではないことです。展覧会という形ではいままで床置きの作品を意識した展示は見られないが、その実験的な作品は数多く制作されていた。今回の作品はイエロー12点とシルバー12点計24点のアルミの作品により成り立っている。各々1m50cmの間隔で整然とイエローとシルバーが交互に並べられ、この反復の作品は壁面での今迄の展示と同じ様にスペースの大きさにによってどのようにも展示できるものです。また、大変興味深いことに人はこの作品の中を歩くことができ、つまり作品の中に入ることができ、また、外側から全体の作品を眺めることもできる。人が目線を動かしながら(歩きながら)作品の全体、一点一点を見ると、このスペースが持つトップライトの自然光と照明の光りでメタリックに陽極メッキされたこの(物体)作品の見え方が変化します。(物体)作品の内外を移動する行為はこれがアート作品なのか、そうでないのかという問題以前の人間の持っている感覚の不思議さを強く感じる。さらに付け加えれば、この一点一点の物体(作品)の見せる様相である。素材が何なのか、この色は何処から来た色なのかという所在の無さを感じる。このことは桑山自身の言葉として余りにも有名な「例えいろんな色を提示したとしても色は問題ではなく、そこにあるのはアートなのです」の意味が強烈に伝わってくる作品であることは疑いようの無い展示です。



作品リスト

Space A
Project for CASO Space A
メタリックイエロー、メタリックシルバー
各: 20 (h) x 21 cm (diameter) 円柱
全体: 約470 x 770 cm
アルミニウムに陽極処理
2001年

 

Space B
Project for CASO Space B
メタリックイエロー、メタリックピンク
各: 18 x 240 x 6 cm
全体:37.5 x 2000 cm
メタリック塗装、ベークライト加工合板
2001年
ギャラリーヤマグチ
ミックスメディア
グラファイト、マイラー、ガラス、アルミニウム
各: 38 x 45 x 3.5 cm
17 点
1993年
  

桑山忠明関係その他のサイトとイメージ

2006 桑山忠明 one room project in Osaka 2006
2005 桑山忠明 -'90-(サイト)
2003 桑山忠明 spce as art - art as space(サイト)
2001 桑山忠明 Project 01(サイト)
2000 Robert C. Morgan テキスト(サイト)
Robert C. Morgan "Sculpture Magazine" 英語テキスト
1998 Project '98, コンクレーテクンスト、チューリッヒ
1997 Project '97, コンクレ−テクンスト財団、インゴルシュタット
ドローイング・オン・マイラー、ギャラリーヤマグチ、大阪
1996 <プロジェクト'96> 川村記念美術館、佐倉(他のイメージ)
<プロジェクト'96> 千葉市美術館(他のイメージ)  −カタログ案内−(サイト)
1995-96 コンクレーテ・クンスト財団、ロイトリンゲン、ドイツ(拡大イメージ)
1994-95 <パスト・スルー・プレゼント・アイ> ギャラリーヤマグチ、大阪(サイト)  −カタログ案内−(サイト)
1994 <ドローイング・オン・マイラー> ギャラリーヤマグチ、大阪(イメージ)
<ペンシル・アンド・ワックス・オン・ペーパー> ギャラリーヤマグチ、大阪(イメージ)
1993 <新作展> ギャラリーヤマグチ、倉庫、大阪(イメージ)
<ジャッド&桑山 60年代の作品と版画> ギャラリーヤマグチ、大阪(イメージ)
1991 <新作展> ギャラリーヤマグチ、倉庫、大阪(イメージ)