|

福井県鯖江高校アートプロジェクト

アンドレアス・カール・シュルツェ
1955年ドイツのリェイドに生まれる。シュルツェの5cm角のカラフルに彩色したコットン・ピースを持ち運び、壁に張り付けていくという表現は、絵画や彫刻など、これまでのカテゴリーに属さない新しい芸術として、近年高く評価されている。額縁もない、キャンバスもないシュルツェの作品は常に空間と密接に関わり、私たちが日常意識することのない空間に目を止めさせる。作品どうしが響き合い、まるで音を奏でる楽譜のように仕上げられた空間は不思議なリズムと強さを感じさせる。1996年からは5カ国(アメリカ、シベリア、グリーンランド、オーストラリア、日本)の建物にピースを1点づつ設置、5つが結び付くことによって一つのかたちが完成するという壮大なプロジェクトに着手した。
シュルツェは如何にもドイツらしい数字の世界で作品を展開しています。85周年のプロジェクとしてピンク(桜のイメージ)の綿布(5cm各)を85枚(5枚を一つの単位として17箇所に)を学校全体に展示しました。
マティアス・ルブケ
"5×5- 実験室のキャビネットから茶道まで"
彼の芸術的なアプローチは精密で妥協がなく、与えられた状況とその中に存在するものを鋭く凝視し、環境との対話から5
x 5 cmのファブリックの正方形を用いてつくられる。それは「平凡な『ものごと』に応じた開放は、私たちの創造性ある活動にエネルギーを与えることができる」ということをラディカルに新しく求めた、1960年代中頃から活動するインディペンデントの建築家グループ、アリソン&ピーター・スミッソンによってかかげられた「普通で新しい視点」を発展させたアプローチである。他の解決策に到達するために用いられるその考え方は、センチメンタルにならない理解方法で作品のプロセスにアプローチするということである。アンドレアス・カール・シュルツェの場合、これらの解決策は、個々を形式化するのと同じように、著しく思いがけないことだった。例えば1998年に彼は、日本の鯖江高校(福井県)のいたる所17ケ所の異なる位置に、5つのピンクの正方形からなる水平列を、同一の形式的構造で設置した。彼は実験室のキャビネットの上方の壁、伝統的な茶道のために設けられた部屋の壁の端、というように気取らない場所や人目を引くような位置を選んだ。これらの作品は、人々の注意を引き付けることよりも、芸術的な、また、芸術的でないピュアな領域に置換することに成功した環境と非常に密接にリンクしている。
アンドレアス・カール・シュルツェの芸術的なポジションは、アーティストという立場を重視し、作品のコンセプトの理論的一貫性を見出し探ることで絵画の領域を残し、その根源にある精神性を認めようとする。1960年代以来、リチャード・アーシュワーガーは、「コンテクストの精神鍛錬のストレッチング」についての考え方を掘り下げていた。彼はあらゆるパブリックな場所に様々なサイズの黒い楕円形「Blp」を設置した。しかし、リチャード・アーシュワーガーは事実を誇張しようと努め、彼のもつ芸術的な形式をそのなかに設置したが、アンドレアス・カール・シュルツェはコンスタントに驚くべき法則の再現を成し遂げ、ミニマリゼーションをさらに1ステップ進める。彼もまた、ベーシックなモジュールで仕事をするが、ゆゆしき役割で演奏することを放棄し、方向性を変えることで、色や配置、量をつくり変える。
「Some something and some nothing」は、モジュール −正方形− とその間にある空スペースを、彼がいかに表現するかということである。ハイルブロン・クンストフェラインでの彼の大規模なウォールピースのように、「something」は単一のファブリックの正方形になり得るし、789個の正方形にもなり得る。「nothing」は正方形の左右にある最小の空スペースであるが、それは大陸間の距離まで広がりをもつ。
アンドレアス・カール・シュルツェの作品の位置は、次のように記述することができる。「普通で新しい視点」が「コンテクストの精神鍛錬のストレッチング」へと変化するミニマルなスタンスは、やがてはマキシマムな空間への連鎖へと導いてくれる。(石川公代訳)
85 PINK SQUARES FOR SABAE each 5 x 5 cm pink color cotton
(1997年10月現地下見。98年4月設置完了)
|
鯖江高校のための85のピンクスクエア
|
|
|
設 置 場 所
|
|
職員玄関外壁
|
|
応 接 室
|
|
情報処理室
|
|
購 買
|
|
普通教棟2階水道場壁
|
|
普通教棟4階教室1-6
|
|
音 楽 室
|
|
第一特別教棟3階女子WC
|
|
礼 法 室
|
|
調理実習室
|
|
図 書 室
|
|
化 学 室
|
|
定時制教棟2階男子職員用WC
|
|
定時制教棟屋上タンク
|
|
第一体育館
|
|
食 堂
|
|
クラブハウス外壁
|
作家によるコメント
<Artist comment>
|
85のピンク・スクエア
|
|
85PINKSQUARESFORSABAE |
|
<作品の17の表情>
|
|
<17 ASPECTS OF MY WORK> |
|
開かれた
|
|
OPEN |
|
いつまでも続く
|
|
CONSISTENT |
|
軽やかな
|
|
LIGHT |
|
整然とした
|
|
SYSTEMATIC |
|
果てしない
|
|
TIMELESS |
|
おどけた
|
|
FUNNY |
|
特殊な
|
|
SPESIFIC |
|
陽気な
|
|
PLAYFUL |
|
柔軟な
|
|
FLEXIBLE |
|
寛大な
|
|
GENEROUS |
|
無用な
|
|
USELESS |
|
同じ時代の
|
|
CONTEMPORARY |
|
真摯な
|
|
SERIOUS |
|
多様な
|
|
MULTIPLICIFIC |
|
厳密な
|
|
EXACT |
|
自立した
|
|
INDEPENDENT |
|
目に見える
|
|
VISIBLE |
他の作家のプロジェクト
山口牧生(日本) ミハ・ウルマン(イスラエル)
[ 鯖江高校プロジェクトのメイン]
プロジェクトホーム
|