
『Utopia』とはギリシャ語の「ユー(ない)」と「トポス(場)」を組み合わせた造語であり、その語源は1516年にトーマス・モアが著書の題名につけたことに遡ります。1993年、ニューヨーク、グッゲンハイム美術館では「グレート・ユートピア」展、また今年、パリ国立図書館では「ユートピアの歴史」展が開催されました。これらは過去を振り返り、その時代においてユートピアがどのようなものであったかを探る実証的な展覧会です。
本展は、現在のユートピアがいかなるものであるのか、作品を透過しアートの世界でアーティスト各々が目指すものが何なのかを「観る」展覧会です。世代、個人的背景、表現する方法の違いは明確でありながら、アーティストは共通言語化された「アート」の世界で各々のアート(Utopia=何処にも無い場)に向かって歩み続けています。その行為には社会的な意思はなく、あくまで個人的な意思のもとに作品は生み出されます。アーティストのこの行為はいかなる時代が到来しても繰り返されるでしょう。そして個々の試みは、まだ見ぬ社会の新しい価値をも生み出すものだと確信しています。
「Towards Utopia」実行委員会 |
|
| 展覧会構成 |
|
|
| 展示内容 |
|
桑 山 忠 明
|
Project for CASO 何もないスペースに作品が設置された瞬間つくられる空間は、体験したことのない新たな次元を感じさせる。空間に踏み入れた時、見る人は時間を忘れ、その空間が一体何なのかを考える作業を始めている。今回は「one
project for one space」の15作目。
桑山忠明(ギャラリーヤマグチのサイト) |
|
1932年名古屋生。1956年東京芸術大学日本画科卒業。1958年渡米、以来ニューヨークにて制作在住。90年初頭からヨーロッパ(スイス−チューリヒ、ドイツ−ロイトリンゲン、インゴルシュタット、ベルギ−−ブリュッセル、オ−ストリア−ザルツブルグ)、日本(川村記念美術館、千葉市美術館、北九州市立美術館)で「one
space for one project」を展開。 |
|
 |
|
写真提供:ギャラリーヤマグチ |
|
サイモン・フィッツジェラルド
|
1957年英国生。1981年 コベントリー芸術大学油画卒業。1986年 京都市立芸術大学大学院油画修了。近年のペインティング「
Breath(呼吸)」シリーズは、その微妙な色彩とラインで作家個人の身体の状態、精神の状態をありのままに表現した静謐な作品を展開している。今回Space
Aで-Blue Room-とも言える青色地の6点のラインペインティング、ギャラリーヤマグチのスペースでは木肌のドローイング21点を展示している。緊張感の漂うSpace
Aと木肌のドローイングは何の関係も無いように見えるが、画面に集中した精神性が伝わる。木肌が主題ではなく、木肌にあるラインに作家は集中しているのです。"Drawings are about searching, paintings are about
what I find." - S. Fitzgerald
サイモン・フィッツジェラルド(ギャラリーヤマグチのサイト) |
|
|
|
写真提供:ギャラリーヤマグチ |
|
「五感の芸術ーその身体性の拡張」
|
石原友明は写真を使うことによって視覚を、藤本由紀夫は音によって聴覚を、そして大久保英治は大地を木、自然素材を使うことによって視覚的な触覚を − 各々の表現は鑑賞者に五感を意識させると共に、五感という人間の感覚機能の回路を新しく切り開いてくれるものです。日常の何気ない風景や身の回りのものに、その隠れた秘密が存在していることに気づかせてくれるでしょう。
(本展は99年開催の大阪・ハンブルグ友好都市提携10周年記念事業「日本現代美術展−大阪からの3人のアーティストたち」の帰国展) |
|
藤 本 由 紀 夫
|
1950年名古屋市生れ。私たちが今まで思いもつかなかった「音」に関する新たな認識を提示してくれる。既製のオルゴールやビー玉、時計、ガラスコップ、角砂糖など日常にある、ごくありふれた物を組み合わせる事によってサウンド・アートという芸術を生み出す。1989年 西脇市岡之山美術館で個展、97年から西宮市大谷記念美術館にて10年間にわたり1日だけ行われる展覧会「美術館の遠足」企画。 |
|
|
写真提供:ギャラリーヤマグチ |
|
石 原 友 明
|
1959年大阪生れ。基本的に写真を素材として新しい視覚的なイメージを私たちに表現してくれる。普段のものの見方や考え方に新たな側面や方向性を提示する作品を作る。1988年 ヴェニス・ビエンナーレ"アペルト"出品、1998年 栃木県立美術館にて個展。
石原友明(Artist-Index Kansaiのサイト) |
|
|
写真提供:ギャラリーヤマグチ |
|
大 久 保 英 治
|
1944年兵庫県西宮市生れ。自然環境の中で芸術作品を生み出す。日本の代表的なランド・アーティストとて、日本人の自然観を芸術を通して人々に喚起し、また、そこには自然だけでなく歴史という物語が秘められている。1994年 高知県立美術館、1999年 徳島県立近代美術館にて個展。現在ユーラシア・アートプロジェクトをドイツ人作家と進行中。 |
|
写真提供:ギャラリーヤマグチ |
|
1999年9月、ハンブルグのクンストハウスで開催された展覧会の帰国展 大阪・ハンブルグ友好都市提携10周年記念事業(企画協力:加藤義夫芸術計画室) |
|
New Generation '00
|
ドイツより参加した安藤由佳子はヘルメット状のテントの中での日常性を表現し、その中に映し続けるビデオではその日常性の不安な状況を示唆した映像を流している。また、近作の短編ビデオをも緊迫した、しかし取り留めのない日常を端的に表現している。丸尾直子は人工物が放つ光りと自然の光りの同調に興味を持ち、強い筆跡でおおらかに表現している。井谷菜々はシルクスクリーンという古典的な手法ながら、シルクの目を埋めるようにしてモノトーンの世界を追求しているのだろう。版画の手法ではあるが、モノタイプとも言える作品である。三浦洋子は従来より絵画を意識した仕事を続けている。今回は新たな展開を見せてくれている。それは彼女の中での絵画の新たな可能性として、カンレイシャを表面に張り付け、見る人の位置によって表面の表情が違ってくる効果を示している。このことは他のNew
Generationの作家にも言えることだが、彼女等の中での新しいディメンシオンの模索であるように見える。若きアーティストの今後の発展を期待しています。 |
|
| 丸 尾 直 子 |
井 谷 菜 々 |
| 1974年大阪生。1999年 成安造形大学造形美術科洋画クラス研究生修了 |
1978年兵庫県宝塚市生。2000年 大阪芸術大学美術学科絵画コース卒業 |
|
|
|
| 選者 |
選者 |
| 児玉 靖枝 |
坪田 政彦 |
| 成安造形大学 |
大阪芸術大学 |
|
その後の活動 |
|
 |
|
ギャラリーヤマグチクンストバウ オープニング展 2004 |
|
|
|
|
| ■会期: 2000年9月30日(土)−10月29日(日) 開館時間 11:00
- 19:00 月曜休(10月9日月曜日は開館翌10日火曜日閉館) |
| 好評につき11月26日(日)迄延長開催いたします。 |
■会場: 海岸通ギャラリー・CASO Contemporary Art Space Osaka
所在地:552-0022 大阪市港区海岸通2丁目7番23号 tel & fax 06-6576-3633 |
■入場料:300円(高校生以下無料)
■その他関連イヴェント |
| 1. ロバート・C・モーガン氏 による講演会「Objective Utopia in Art」 9月30日 午後2時−4時 作家を囲んだオープニングパーティ 5時より |
| *ニューヨークのRochester Institute of TechnologyのHistory and Theory
of Art College of Imaging Arts and Sciences 学科教授 |
| ロバート・C・モーガン氏による「Towards
Utopia」のレビュー |
2. 帝塚山学院大学 美学美術史ワークショップ 「アート・スペースの可能性」
| 日時: |
10月26日午後5時ー6時30分 |
| 場所: |
CASO2階ラウンジ |
| 講師: |
山口孝(ギャラリスト)、藤本由紀夫(アーティスト) |
| 主催: |
帝塚山学院大学美学美術史学科・帝塚山学院大学美学会 |
| 問合せ先: |
帝塚山学院大学 TEL0723ー65ー0865 |
|
| ■主催: 「Towards Utopia」展実行委員会 ■協力: 株式会社住友倉庫 |
| ■協賛: アサヒビール株式会社 資生堂 松下電器産業株式会社 大和証券SBキャピタル・マーケッツ株式会社 住友建設株式会社 住友電設株式会社 株式会社日建設計 |
■助成: 野村国際文化財団 ■後援: 国際交流基金 メセナ協議会認定
■機材協力:日本ビクター株式会社 |
■展覧会実行委員会メンバー
| 実行委員長 |
山口 孝 |
ギャラリーヤマグチ代表 |
| 副実行委員長 |
森口まどか |
フリーランスキュレーター |
| 委員 |
加藤義夫 |
加藤義夫芸術計画室代表 |
|
坪田政彦 |
大阪芸術大学 教授 |
|
児玉靖枝 |
美術作家 |
|
沼辺信一 |
川村記念美術館 |
| 事務局長 |
石川公代 |
ギャラリーヤマグチ |
|
展覧会問い合わせ先 |
事務局:ギャラリーヤマグチ内 |
|
|
TEL 06-6577-0998 FAX 06-6577-0995 |
この展覧会はギャラリーヤマグチの企画のもとに進められ「実行委員会方式」で実現いたしました。
 |